格差社会を生き抜く
人口減少に歯止めが掛からない昨今、格差社会は大きな課題として取り上げられて来ています。私たちの町「秦」も大きな悩みの一つです。
岡山県総社市秦は中心部から5km離れた高梁川右岸に接する3km四方に囲まれた人口1,838人(令和6年1月1日現在)の小さななまちです。市中心部は県下の市町村の中でも人口増と囁かれているまちですが、一歩、高梁川を西へ超えた地域(約100k㎡)は年間約265人(現在)が減少している地域です。
格差社会の中で生き抜くため、地域住民が各種イベントを通じ地区民の「絆」を強くし、住みよいまちづくりを目指し、人口減少に歯止めをかける挑戦をしていることを紹介します。
【秦地区活性化のために取り組んでいるイベント】
Ⅰ.弓月フェスタ(開催日:毎年8月第1土曜日)
Ⅱ.秦の郷スタンプラリー(毎年10月~11月)
Ⅲ.全世代型ふるさとふれあい市(毎年10月)
Ⅳ.秦ふるさとふれあい祭り(毎年11月)
Ⅴ.秦のみらいマップ策定プロジェクト
Ⅰ.弓月フェスタ(開催日:毎年8月第1土曜日)
夕方5時から9時半まで、総社市西公民館秦分館と秦地区の若者の会「若秦会」が中心となり、ステージ及び櫓を設置し、近隣町内会のアマチュア屋台も出店され盛り上がり、楽しんでいます。
また、川向の雪舟フェスタの花火鑑賞したり、ゲーム、盆踊りなどで真夏の暑い夜を過ごします。
近年は、近隣の町内からの参加も多く、約3,000人が祭りを楽しんでいます。
Ⅱ.秦の郷スタンプラリー(毎年10月~11月)
「秦の郷」スタンプラリーは当地の歴史遺産コースを巡り、スタンプを6個以上集めると景品をゲットできます。
令和5年度の参加者は730人、総社市以外から岡山市、倉敷市他、多くの方が参加されています。
当地を訪れる人は以前はごく僅かでしたが、最近は年間3,000人と多く非常に活気が出てきています。
Ⅲ.全世代型ふるさとふれあい市(毎年10月)
全世代(赤ちゃんからお年寄りまで)の人が、秦青果出荷組合倉庫軒下を借りてのイベントに参加しています。
家族ぐるみで参加されているので、参加者同士の付き合いが始まり、一段と賑やかな雰囲気の中で盛り上がっています。
催しも、子どものフラダンスショー、中学生の吹奏楽、青年のバンド、神樂と幅広い出演者、屋台もあり全世代が楽しんでいます。
Ⅳ.秦ふるさとふれあい祭り(毎年11月)
午前中は秦小学校の学習発表会で家族が見学、午後はフリーで校庭での秦ふるさとふれあい祭りに参加します。
地元民の作った野菜を無償で提供していただき、市価の約半値で販売。収益は秦地区自治会連合会の運営資金に充当しています。
地元のサークルが餅つき、焼きそば、石焼き芋、綿菓子、焼き鳥、うどん販売など色々出店し、お祭りを盛り上げています。
Ⅴ.秦のみらいマップ策定プロジェクト
若い人、女性を含めた2つのプロジェクトを立ち上げ、秦の将来に向けて自由意見を出し合い、どのようなまちづくりをしたら幸せな生活が送れるか、秦に住んで良かったと思えるまちづくりとは何かなどを話し合いを積み重ねています。
プロジェクトは①生活環境プロジェクト②観光プロジェクトを組みそれぞれ「秦のみらいマップ」を作り、より良いまちづくりを目指しています。
誰もが幸せを実感でき、秦に住んで良かったと思える「まちづくり」
各種イベントは地区民の絆を最も強くする手段です。日頃は何かと疎遠になりがちな近所付き合いも、一つの広場に集まることにより親近感が湧き、お互いにコミュニケーションが取れ絆が強くなります。
町内の各種行事にも参加しやすくなり、町全体が明るくなり、住んで良かったと言えるまちづくりに繋がると思います。
格差社会を生き抜くために
少子高齢化が進み人口減少が進む山間地域と住宅環境の良いまちなかでは、人口の格差が一段と開き、生活環境は大きく変化しています。
格差社会を生み出す原因は色々あります。しかし、行政を待っていたのでは格差社会はどんどん進んでいきます。
この格差社会で生き抜くには、地元住民が手をつなぎ、住みやすい生活環境を自らが作り、幸せを感じる事ができるまちづくりにより、人口減少を食い止めるしかないと思います。